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一月の話


 現在。まだ少し雪が残る帰り道にて。
「十七回目の誕生日おめでとう」
「ありがとう」
「これ、約束の指輪」
「本当に買ってきたんだ」
「当たり前じゃない。それに選択権を放棄したのはそっちだよ」
「分かってるって」
 でも、まさかそういう指輪とは思わなんだ。
 

 一ヶ月前。積雪を眺める教室にて。
「瑞葵は、誕生日に何が欲しいなんて陳腐な質問に答えてくれる人?」
「勿論。何だっていい、だね。はい答えた」
 前の席の椅子を陣取っているのは梓だ。机上にビニール袋をガサッと置いたので、私は広げていた弁当を少しどける。
「具体例を聞かせて貰えると大いに助かるのですが」
「そうだな。私の喜びそうな物が欲しい」
 いよいよ梓の顔は苦虫を噛み潰したようになった。そして、まともな回答は得られないと踏んだのか、ビニール袋から昼食を取り出した。それが結構大きい。手の小さな梓が持っているから、というのを差し引いても大きく感じる。
「いつもの牛丼大盛りですか」
「いや、違うよ。今日のは牛丼特盛り」
「とても女子とは思えないわね」
 嫌みをたっぷりと効かせた発言だったのだが、梓は「それはそれは有り難いことで」と微笑してまた丼と向き合う。まさかとは思うが通じなかったのか?
「梓は男になりたいの?」
「出来ることならね」
 手術とまでは行かないけど、と梓は補足した。
「男だったら、男になれたら何がしたいの?」
「そうだな。まず瑞葵に告白するかな」
 絶句物だ。
「何故?」
「魅力的だからに決まってるでしょうが」
 またまた絶句物だ。
「信じてないね?」と梓。
「勿論」と私。
「本当の話だよ。今の私ですら瑞葵のフェロモンにかなりやられてるんだから。男になったら……。あな恐ろしや」
「犯されかねない?」
「襲いかねない」
 私は、少し前からの会話を思い返してみた。お昼の教室でする話題でないことは明晰だ。すると、なんだか急に恥ずかしくなったのでこう言って会話を終えようと試みた。
「ま、事実だというなら指輪の一つでも持ってきてみなさいな」




 現在。まだ少し雪が残る帰り道にて。冷風が家路を歩く私たちに襲いかかってくる。
「改めて、誕生日おめでとう」
「ありがとう、ありがとう」
 会話はこれだけだった。重い沈黙、いやそう感じるのは私だけなのかも知れない。いつもならこの関係に安心を感じられるのに、今はなんとかして場を和ませようと内心しっちゃかめっちゃかだ。でも、たとい梓の好きな丼物の話でさえ、この空気をどうにかすることは難しいだろう。そういう確信がある。なら、私の取る道はただ一つ。直球勝負だ。
「指輪ありがとうね。大事にする」
「肌身離さず持ち歩いてくれれば私も嬉しい」
「嵌めての登校は流石に校則違反だろうから、紐を通して首に下げようかな」
「うんうん、それも良し」
 いつの間にか梓のペース。そういう空気だ。しかし何だろうか。この気持ちは、いつも梓と二人でいたときの安心と近いような。
「梓」と真剣味を出して言うと、梓は笑いながらも目線を合わせてくる。
「私には、少なくとも梓みたいな感情を抱く自信が今は無いよ」
「構わないよ」
「だから、この指輪も只の誕生日プレゼントってこと。私たちは友人同士ってことで良いかな? 酷い話だけれど」
 自分から切り出したのに、耐えきれなくて俯く。本当に酷い。友人同士、なんて。犯されても仕方ない発言だ。
「別段、酷いとも思わないけど」
「……どうして」 
「だって、今までも瑞葵は私たちを友人同士だって思ってきたじゃない」
 もっとも告げない私に責任があるのだけれど、と梓は付け足した。その言葉に私を責める意図は感じられなかった。でも、私の心は傷ついていて、梓も同じなようだった。

不意に梓を抱きしめたくなった。堪らなく抱きしめたくなった。しかし、それはどの私だろう。「友人同士で」なんて言ったけれど、私は今梓を友人として捉えているだろうか。全く分からない。それでも、私は彼女を抱きしめたいと思うのであった。











あとがき
書いてる内にこうなりました。嘘です。
構想段階でこうだったんです。嘘です。
こういう話が書きたかったんです。
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現状とそれから

突然ですが、ハンドルネームを変更しました。

これからは「歯牙乃反旗」となります。名乗ります。
ツイッターのほうだと何カ月も前に変更してたんですが、ブログは放置決めていたのでこの有様です。


さて、私はなんとなくお話を書いています。
ここ最近は、シリーズ物に挑戦してみるかと意気込んでいたのですが、心血を注いで創作に打ち込んだ経験が乏しいので「まず一話完結物を自分が妥協できるぐらいのレヴェルに仕上げよう」と相成ったのです。

私が自分の実力に満足する日が来るのかは分かりません。
ですが、やって満足する保証はないけれどもやらずして満足もないという保証はあるのです。
私、気になります。

と、いう訳でして、一話完結物の小話作成に取り掛かろうと思います。
以下小話






 








 思考を現実に引っ張り上げて、今まで脳内を占めていた本の世界を隅に追いやり、手の中のペーパーバックを閉じぬまま
「1日24時間なんて誰が決めたんだ?」
 俺は問うた。横で読書に余念がない友人にでもなく、この気の置けない間柄が気化したような空気に。“気の置けない”が液体かどうかは知らない。俺は文系だ。
「エジプト人だって聞いたよ、古代の」
 なら文句を言うのは止めておこう。文句はぶつける相手がいなければ文句にあらず。
 会話終了。俺はまた読書にめりこむ。
 ところがどっこい。
「それだけ?」
「ん?」
「もしかして、さっきのは独り言ですかい?」
 友人の声の成分表に怒気が追記されたことを俺は悟った。ここで「そうですとも!」と即答すれば……。身が震える。やってくるのは平手打ちか、ハイキックか、零度を下回るような凍てつく視線か。
 そうだ。こいつは読書を妨げられるのを嫌う奴なのだ。
「え、いや、そうだな……」
「そうだな?」
「いやいやいやいや、なんというか。1日が365日だったらな、と思ったのさ」
 我ながら良い変化球だとは思う。果たして。
「1日が365日。文化祭もクリスマスも夏休みもぜーんぶひっくるめて、一日」
 と呟く友人。心の中でガッツポーズする俺。食いついた!
「そういうこと。そもそも24時間程度じゃやりたいこと全てを消化しきれないのさ」
「確かにね。私だってテレビ見たいし、本読みたいし、散歩したいし、買い物行きたいし、寝たいし、勉強したいし」
「そういった諸々を解決しようと思って、これに至ったのさ」
 そいつは1日が365日、と呟き返した。とっさの思いつきだったのに気に入ったのだろうか。
「ということは、毎日がお祭りで、毎日が祝日で、毎日が平日で、毎日が夏至で、毎日が冬至で、毎日がお盆で、毎日が修学旅行で、毎日が元旦で、毎日が年末」
「1日3食は1日1095食となりますな」 
 なんで口調が変わったんだ、俺は。
「もしそうなったら、毎日が充実だね」
「そうだな」
 俺自身いわゆる「リア充」になる気は毛頭ないのだが。
「でも、でもだよ」
「うん?」
 友人はifにifを重ねた。
「仮に1日が365日になったとして、それから何年も何年も何年も経ったある日、図書館で読書に興じる子供たちが『一日長くね? もっと区分しても良くね?』って“もうひとつの1日”へ目を向けたらどうなるかな」
 会話はぷっつりと切れた。しっぺ返しにしては痛い反撃だ。こいつはこのとりとめもない議論を続けたい訳じゃない。となれば……。これしかない。
「ごめんなさい」
「うむ、大変宜しい」
 小さじ一杯の間をおいて、俺たちはクツクツと笑った。そして、水面に投じた一石の波紋のようにそれは消え失せる。そうして各々、本に没頭し始めた。















これにて今日の小話は終わりです。
その日の内にネタが思いつくかどうかは別として、この量なら1時間ちょっとで終わるのでなるたけ続けていこうと思っています。思ってはいます。

以上、毎日何もしていない訳じゃないけれど、発言せねば何もしていないのと同じ扱いをされる世知辛い世の中への現状報告でした。


追記
上記の小話にタイトルをつけるなら

「ルーティンなじじぬきのルーチン」

ですかね。

〈オリジナル〉 花→メルヘンの考えをぶち壊すのだ。

 緑に囲まれたこの素晴らしい世界
                     


 

 とある一軒家に一人で住む彼は日の出と共に目を覚ました。
 目覚まし時計も何もセットしてはいない。
 これはもはや習慣だった。
 それから彼は布団から出て、寝巻のままベランダに向かう。
 カーテンを開ける。
 ガラス越しにやってくる日光が気持ち良い。
 暖かくて、美味しい。
 陽の光を噛み締めながらガラスに映った自分を見る。
 なにか変ったところは無い。
 いつも通りだ。
 縦に長く横に細い体系、筋肉の欠片も無い四肢、そして体をマントみたいに覆う植物の根、その根本で彼の顔を占拠している巨大な花。



 彼はベランダに出た。
 まだ六時になるかどうか、といった時間帯だというのに老若男女が各マンションの自室から顔を出していた。
 そうしている全員がやはり顔にデカイ花をつけているから空から見れば一面がお花畑に見えなくもない。
 その集団に彼も倣い、お日様を浴び始める。
 お日様の恵みを浴びて彼は少しずつ舟を漕ぎ始めた。
 と、言ってもまぶたを閉じて眠るのとは訳が違う。
 そもそも目と植物の根が融合しているから閉じれない。
 では、どうすればいいのか。
 答えは単純明快。
 根を引っこ抜けばいい。
 彼はいつも通りにその動作をした。
 ブチブチと血管なんだか根なんだか区別がつかない何かが切れる音が頭に響く。
 すると、停電したように真っ暗になった。
 ついでに耳の方も抜くと辺りが静かになった。
 そのまま三十分くらい待った。


 この「光合成」に必要な時間が経過したことは植物が知らせてくれた。
 一本の根が肩やらを叩いてくれたのだ。
 再び根を目と耳に根をシュルシュルと張って立ち上がった。
 お腹一杯だ。
 そう、これが「今の朝ごはん」だ。
 彼は仕組みをよく知らないが、この植物に埋め込まれた電子チップだか何かが光合成によってある程度の養分を得ると満腹中枢を刺激するらしい。
 光を浴びるだけなら電灯でもいいじゃないか、という人も昔はいたがそうは問屋が卸さない。
「あれま、こんにちわ」と突然挨拶してきたのは隣のマンションに住む顔見知りの老人。
 彼の目の前(というか網膜の上)にその老人の顔が浮かび上がり、耳を覆う根に声が届く。
 彼は、おはようと返した。
「やっぱりお日様の方が味はいいのかい」
「ええ。優しい味がします。部屋のライトは味がないのです」
「そうかいそうかい。お月様はどうだい」
「電灯以上太陽未満と言った感じですな」
 そんな会話をして老人と分かれた。
 彼は部屋に戻った。
 今の時代、簡単なデスクワークなら自宅でこなせる。
 鼻の目と鼻の先にある花の一つの根を仕事に使う機械に接続した。
 資料は頭の中に入っている。
 これくらいなら簡単だ。
 
 
 仕事が終わった。
 まず風呂だ。
 花が、根が水分を欲しがっている。
 命の洗濯をせねばならない。
 
 
 この彼らが咲かせている花は、ある年この国の科学者が開発したものだ。
 元々技術先進国だったこの国は「食料問題、健康問題、これらを解消でき今までにない便利さ」を求めて長年の努力を積み重ねてきた。
 そうして努力の花が咲き、この植物は国民全員に行き渡った。
 この花を咲かせる為には、脳に種を埋め込む手術が必要なので最初はためらう人もいた。
 だが、理論上この植物と融合してしまえば食品を摂取する必要も水を飲む必要も一切の手間がいらない。
 なにより惑星の環境問題に貢献できる、として手術が義務付けられた。
 そうして「今」に至る。

 水やりも兼ねたシャワーも終えて、彼は一息をついた。
 一日が終わった。
 寝巻に身を包み今度は月光を嗜んでゆったりしているといきなり声が聞こえた。
 久しく会っていない彼の親友だ。
 今朝の老人との会話もこれだが、かなり離れたところにいる親友の顔がまたも目の前に出てその肉声でメッセージが再生される。
 これが開発コンセプトの「今までにない便利さ」だ。
 携帯を使わなくとも口を動かさなくとも、話したい相手に話したい内容を伝えようとするととその通りに送られる。送信範囲は国土全域。
「久しぶりだな。元気にしているか」
「テンプレートな出だしだな。どうした」
「いや、××××(植物の名前)の性能を向上させた新商品の開発に今日成功してさ、これが承認されれば無事に販売開始となる。その承認に必要な実験に協力してくれないか、と思ってだな」
「安全なのか?」
「それを実験するんじゃあないか」
「うーむ」
「実験が成功した暁にはその新商品をそのまま持ち帰っていい。誰よりも早く新しい××××が味わえるぞ」
「分かった。協力してやる。で、どこがパワーアップしたんだ?」
「それはだな――」

 彼等は口が、目が、舌が、耳が、脳が、植物と同化している。
 植物を通して食欲を満たす。
 植物を通して喉の渇きを癒す。
 植物を通して誰かと会話する。
 植物を通して息をする。
 もはや植物の奴隷と成り果てているのだ。
 だが、そんなこと、誰も気付かない。
 それほどまでに「便利」の隠れ蓑は分厚いというのか。
 





                         

あとがき

折角なのでブログにもアップ。

最近はもっぱらダブルスポイラーやりまくって、はたて解禁のためにパパラッチ三昧なのです。
大体のゲームは気合と根性でどうにかなるよね。

解禁出来たら、またなんかアップしまっせ。
創想話にも何か出したいね。

天狗様のお仕事3お疲れさまでした

と、いうわけでお疲れさまでした。

一般参加したことすらないのに、まさかのサークル参加。
狗31で餅の如く鎮座していました。

サークルとして初の活動で何を持って行けばいいかすら分からず、冬コミやら例大祭やらでサークル様がテーブルをどんな感じにセッティングしていたか思い出すのに必死だった土曜日から、もう5日は経ちました。
早いです。


当日まず度肝を抜かれたのはチラシ地獄。
これから催されるイベントや印刷会社様からの宣伝でした。
スペースに行ったら椅子の上に積まれていたザ・ちらし。
それを片づけてコピー誌やら何やらを準備していたら、またチラシ。
といった具合でして、買ったもしくは挨拶で頂いた同人誌よりチラシの枚数のほうが多いんじゃないか、束ねたらちょっとした枕になるんじゃないか、なーんて帰宅して荷物整理しながら思ってました。
アレをイベント毎にやるわけですか……。いやー大変だ。

自分はやはり餅のくせにチキンなようで目と鼻の先にいるサークルさんやフォロワーさんに、いつ挨拶に行こうか、一般の方が入場されるまでずーっと考えてました。
11時前には終了しましたがねー。

そんなこんなで、当日お会いした けむけむさん ぶんさん 澄下さん MTさん るざさん うっ☆にゅーさん 燻製ハムさん 梨たろうさん ナオさん 天野しきさん ありがとうございました。(僕の記憶が正しければお会いしたのは、これで全員のはず……) 
僕らクオリティのコピー誌で楽しんで頂けたら幸いです。甘さが足りないあやもみ中毒患者の方は妄想で補完してください(投げた 
まだ頂いた新刊を読み切っていないので、これから読みます。何度も読みます。穴が開くほど読みます。

ではでは、お疲れさまでした。

次のサークルとしての活動は分かりません。リーダー(らしい)僕にも分かりません。だって決めてないから。

それでは、またの機会に



甘い話がまったく書けない3月より

味覚がおかしい話

ちょっぴりグロッキーです。
苦手な方はご注意を。
































やっぱり人の肉が食べたい。


今、私がむしゃぶりついている「これ」と「それ」がどう違うのか問われても口籠るしか出来ないが……。
申し訳ない。
この目で見れば直感的に「違う」と分かるのに、どう「違う」のかを上手く言葉で表せない。
こういうときだけは、貧弱な語彙が恨めしい。
願わくば、天魔クラスの大妖怪に生まれたかった。


閑話休題。


眼前には胸元が文字通り「開いている」。
それも紅く。時折、白く。
さらさら流れる紅と鎮座する白は暗闇でもよく光る。
光るもの好きな鴉は身体の中までぎんぎらぎんらしい。


私だって妖怪の端くれ、人を食べたい。
けれど、今の幻想郷で人里の人間を襲うのはルール違反だ。
しかし、天狗は古くから人型を成しているだけあり、その身は人肉と近しい味がする(そう言うのは同種内で私だけだが)のだ。
そこで、私はこの人に了承を得て、この人を食べさせてもらっている。


牙の付け根がうずうずする。
思いっきり鎖骨の辺り、首元に噛みついてみた。
慣れ親しんだ味わいが広がっていく。
そのまま皮を舌で器用に剥がして、中の液を呑む、肉をほじくり出す。
が、やはり、どこか物足りない。
いや、なにもこの人の血肉が不味い訳ではない。
齢千年を超すというのに、肉は新鮮で、血は若々しい。
そんじょそこらの天狗とは比べるまでもない味だ。
だが、だが、やはり、何度でも言うが物足りない。

また肉を食んでみる。違う。
また血を啜ってみる。違う。

ああ、こんなにもはっきりと分かるのに、さっぱり分からない。

この人は髪が黒い。
同色の翼さえ隠してしまえば、人里の娘に見えなくもないというのに、何が違う?

あの紅い目か?
夜な夜な「頂きます」という度に薄く笑いかけてくるあの目、あの目に涙やら恐怖やらが練りこまれていないからか?

それとも、抵抗してこないからか?
襲われた人間というやつは当然ながら抵抗してくる。
それを無理矢理押さえつけて、両手両足を利かなくして、ゆったりじっくり頂く、というのが今までやってきたなかで一番の方法なのだが、そうしてこないからか?

この人の味については隅から隅まで、それこそ骨の髄まで知り尽くしているのに、その答えだけは出ない。

右腕の骨を取って、噛み砕いていると、やっぱり笑っていた。
それどころか、まだ動かせる所々肉が抉れたもう片方の腕で、頭の耳と耳の間を撫でてくる。
そのままでも構わないが、主役足りえる調味料ではない。


愛情は最高のスパイス、とぬかす輩がいるが恐らくそいつの舌は気が触れたのだろう。
この人の了解の下食べるというのは、この人の微笑みに抱かれながら食べるというのは、心地よいが、「あれ」に比べてちょっと美味しくない。
最高のスパイスは、涙だろう。
所詮は食塩水、されど食塩水。
上質な肉は塩焼きが一番合う。

今度、何処からか睡眠薬をくすねてこよう。
そして、この人を縛りつけてみよう。
そうすれば、味が上がるかもしれない。あの味に近づくかもしれない。それとも……。






眩しい。
そろそろ夜明けらしい。
しばらく、そんなことを暫く考え込んでしまったからか、ほのかに笑んで、満足した?、と訊いてくる。
私の口周りが真っ赤なのは、もう気にならないらしい。
とりあえず、ご馳走様、と返しておいた。
……だめだ。ねむい。
良い仔は寝る時間だ。
おやすみ、と言ったら、おやすみ、と返ってきた。






























あとがき

遅ればせながら、燻製ハムさんお誕生日おめでとうございます。
本当ならまったく別の話を書く予定でしたが、私がハムさんのお誕生日に気がつくのが遅かったので、長くお待たせするのは良くないだろうと思い、短いのを書かせて頂きました。

そして、ちきんまんさんお誕生日おめでとうございます。
ついさっき知りましたので、飛び入りのような形ですが送らせて頂きたいと思います。



内容については、個人的趣味です。
あ、でも、現実でグロイもの見るの苦手なんですよ僕。
理科の授業で豚の内臓見て吐きそうになったあの感覚が、今でも鮮明に残っています。

このお話の椛は、タイトル通り「味覚が変」ということにしておいてくださいな。
そういえば、僕も味覚音痴っていわれるんですよね。なんでー?

ゴールどこですか?

タイトル通りですね。

現在、創想話のほうに投稿予定のあやもみSSを書いているのですが、なかなか進みません。
頭から順々にキッチリ仕上げるのは効率が悪いのでしょうか。
ですが、簡単な肉付けをしてから全体を調整するなんて器用な真似できません。
不器用ですから。
投稿したらこっそり宣伝すると思うので、よろしければ。




全然関係ありませんが、前日のバレーにて友人の全力レシーブが顔面に直撃しました。

ヘロウィーンなので……

息抜きにムラいちだよ。キャプテン責めうまうま。


 「トリック オア トリート!」
 「うるさい」 
 
 障子をスケート選手よろしく勢いよく滑らせる、このちっこい闖入者。
 村紗水蜜。
 乙女の私室に何の断りもなく入る無礼者の頭に、星を咲かせるのは当然のこと。
 毎度思うのだけれど、この身長差はゲンコツしやすいのよね。
 お月さまを照明代わりにして読書してたのに、このがきんちょは。毎日元気ハツラツだこと。
 さ、本の続きは--

 「だから! トリック オア トリート」
 
 おかわりが欲しいのかと思って拳をまた構えたら、さっきの一撃が存外効いたのか下のまぶたに水が溜まってたので、さすがに止めた。
 泣かせるのは……ね。
 
 「お菓子なんか参拝者さんから貰ってたでしょ。ぬえと一緒に、山みたいな量をさ」
 「それはそれ、これはこれ。ケースバイケース、だっけ? いっちゃんにもくれた人いたでしょ? 四の五の言わずに献上しなさい」
 「何様?」
 「艦長様」

 いい笑顔しやがる。さっきの涙はどこへやら。
 でも、誠に残念ながらキャプテン必殺スマイル攻撃には耐性が付いてきた。まだドキドキはするけど。
 毎日、早朝に掃除して、こいつのイタズラに構って(特にお風呂場)疲労が積もって崩れそうな時に、差し出されたお饅頭に栗羊羹。
 見ず知らずのおばあさんだったが、毎日お疲れ様なんて労いの言葉と共に手渡されたら、もうそれは食べるしかあるまい。
 私の正当な報酬だ。
 いくら村紗いえども、渡せない。ていうか食べちゃったんだし。

 「もう在庫がありませんわ艦長」
 「じゃあ、イタズラ?」

 最初からそれを狙ってたくせに……
 外見に似合わない艶めかしい笑みはとりあえずスルー。直視すると流されると私の経験が告げている。
 今日はこんなイベントのせいなのか人が多くて疲れたし、煙を巻いておこう。
 下手には乗らない。
 
 「そもそもね、ここはお寺なのよ。異文化に慣れ親しむのはいい事かもだけど、やりすぎると姉さんの説教かもよ? 初心忘るるべからず、ってね」
 「もーまんたいだって。”村紗水蜜は海のキャプテンである” ”海とは自由の象徴である” ”故に私は自由である” 何ものにも縛られないわ」
 
 いや、その三段論法はおかしい。
 言いたいことは分かるけれど、まるで宿題を忘れた子供の言い訳だ。
 論法で説き伏せるのは無理か。
 まぁ、それも最初から分かってたのだけれど。
 もうすこし、抵抗してみようかしら。

 「こんな時間に甘いものなんて食べたら太るわ」
 「ゆーれいに体重ないし」
 「そ、それにほら、”むしば”とかいうやつのの原因になるって、竹林の薬師が言ってたし」
 「だからもう死んでるって」
 「”とーにょーびょう”とかいうのも」
 「それはブドウ糖とかの糖だよ。いっちゃん」

 あれ?正論言ってるの村紗の方?
 弾幕ごっこだけでなく、言い争いでも負けてしまうのか。
 でも、そうしたらどんなことをされるか分からない。
 なんだかんだいって、素直にいうのが一番なのかな。

 「いまは用意できないけど、明日お遣いついでにケーキ買ってきてあげるからさ。それでどう?」
 「いま食べたい」

 ゆーれいちくしょうめ。
 お菓子ないのかー、とか言いながら村紗は後ろに回ってきた。
 のしかかる。重い。
 頭に顎をのせる。痛い。
 振り子みたいに頭をゆらゆらさせて、なにか考えているらしい。
 少し経って、頭上であ、と声を出した。
 良からぬことを思いついたみたい。
 
 「いっちゃんはお菓子食べちゃったんだよね?」
 「うん」
 「ないならイタズラされるしかないよね?」
 「う、うん」

 頬が熱い。ここまできたらやけっぱちだ。

 「”スイーツはお腹の中である” ”一輪を好きにしてもいい権利が私にはある” つまるところ、”一輪を食べれば、お菓子を食べたことになる”てことでしょ?」
 「なによそれ、話が変な方向にそれて--」
 「トリック オア トリート?」

 こんどは目が離せなかった。
 そんな三段論法は筋が通ってないし、あやふやだ。
 でも、あながち間違ってはいないのかもと思う私はおかしいの?
 きっと甘いものを食べすぎたせいだ。
 きっとそうだ。










ギリギリ間に合った。ザ・二時間クオリティ by三日酔い
 
 

いそがしや~

あー忙しい忙しい。

最近ろくに小説やら絵やら書けてませんよ。
泣けるぜ。

近所にかき氷を売っている店があったのですが、注文して外見に
「なんだコレ!?」
食べてみて
「なんだコレ!?」
という驚きの波状攻撃でした。

なんでも天然の氷を使っているとのことで、スッと解ける舌触りです。
値段は高めでしたが、来年も食べます。

嗚呼、出費が……
プロフィール

Author:うぐいす餅
なにかしらのお話書いてます。

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